食いしん坊のクローゼット
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032 パリで見つけたテレフォンワイヤーバスケット
二十代の頃から、パリに行くと必ずひとつふたつ買って帰る小さなバスケットがある。
1990年代のはじめ、パリの洗練されたインテリアショップのウィンドウを、色鮮やかなバスケットが飾っていた。カフェオレボウルほどの大きさで、ひとつとして同じ柄はない。その独特な色使いとパターンに心を奪われた。
手に取ると、ほどよい重みがある。よく見ると、細いワイヤーをていねいに編み上げて作られていた。店の人に尋ねると、その素材は、廃棄された電話機の内部に使われていた電線だという。不要になった素材を生かす、リサイクルの試みでもあった。
斬新な配色と模様を生み出していたのは、南アフリカのズールー族の女性たちだった。このバスケット作りは、彼女たちの仕事を生み、暮らしを支えるためのプロジェクトでもあるのだと教えてくれた。
フルーツを盛ったり、キッチンに置いて、こまごまとしたものを入れたりするのにちょうどいい。
友人に見せると、誰もが欲しがった。そのたびに、気に入った柄を選んでもらい、プレゼントした。ずいぶんたくさん買ったはずなのに、いま手元に残っているのは、ほんのわずかだ。
秋になったら、またパリへ行く。そのときにもう一度探して、いくつか買って帰ろうと思っている。どんな色と柄に出合えるのか楽しみ。

食いしん坊のクローゼット
001 三時のおやつに菊皿
002 アスティエの角皿
003 リーサ・ハッラマーのデザート皿
004 1930年代のカフェオレボウル
005 「if」のピューター皿
006 白磁の茶椀
007 木の平皿
008 ブルーウィローの皿
009 安南焼の茶碗
010 成田理俊のステンレス皿
011 サーラ・ホペアのコップ
012 仲村旨和のカッティングボード
013 レモンの木の小皿
014 マルック・コソネンのバスケット
015 スティーブ・ハリソンの皿
016 鳥獣戯画の盛鉢
017 ラッセル・ライトのカレー皿
018 木曽ひのき漆器の弁当箱
019 欅の千筋茶碗
020 パリの買い物
021 アラビアのライス
022 沖縄の「やちむん」
023 ハルデンワンガーのセラミック皿
024 ベニントンポタリーのマグカップ
025 ウォルター・ボッセの「青いクマさん」
026「オドー・コペンハーゲン」のティーポット
027 百田輝さんの土鍋
028 アンニッキ・ホヴィサーリの飴釉プレート
029 小鹿田焼の大湯呑
030 蚤の市で出会ったチークボウル
031 ピーター・アイビーのワイングラス
032 パリで見つけたテレフォンワイヤーバスケット