

015 スティーブ・ハリソンの皿
桐島かれんさんは、生放送で毎週二時間の「かれんスタイル」というラジオ番組を8年間一緒に続けた友人のひとりだ。かれんさんは世界中を旅して、各国の手仕事品や工芸品を集めた「ハウス・オブ・ロータス」という生活雑貨と服の店を経営していた。ある日、そんなかれんさんのオフィスで打ち合わせをしていたときに、釉薬に塩を使った、とてもすてきなマグカップで紅茶を淹れてくれた。聞くと、ロンドン郊外で作陶するスティーブ・ハリソンの作品だと教えてくれた。このきっかけでぼくは、スティーブ・ハリソンの食器を集めるようになった。作品の多くはマグカップだが、お皿やボウルもときどき作るようで、ぼくはどちらかというと皿やボウルを買い求めた。それらは紅茶文化のイギリスだからか、ケーキやスイーツにとても合う食器で、スティーブ・ハリソン自身、イギリスの伝統的なウェルシュケーキを焼くのが得意だという。
今日は自家製のいちごジャムをはさんだバターロールをのせてみた。お皿の独特な配色が、バターロールといちごジャムのおいしさを引き立てて、ちょっとファンタジーな世界が生み出されている。そう、スティーブ・ハリソンの、そのファンタジーな世界観がぼくはとても好きなんだ。