011 サーラ・ホペアのコップ
フィンランドのガラス工房「ヌータヤルヴィ」の『1718』というコップがある。どこにでもありそうなデザインであるが(実際、世界中でデザインがコピーされている)、女性デザイナーのサーラ・ホペアが狭いアパートでの暮らしを考えて、1952年にデザインしたスタッキング・グラスだ。サイズは4種類あり、1968年まで生産されている。ミネラルウォーターやアイスティーを飲むときに普段使いしている。手に持ったときの重さとバランス、口をあてたときの心地よさ、置いてある姿かたちの美しさなど、毎日使えることに喜びさえ感じる名品のひとつ。使えばわかる模倣品との雲泥の差。コップひとつで毎日がしあわせになる。