009 安南焼の茶碗
とっておきの服があるように、とっておきの器がある。僕にとってそれは安南焼の茶碗だ。安南焼とは、江戸時代にベトナム(安南)から渡来した焼き物で、素朴な染め付けに味わいがあり、茶器として珍重されたことで知られている。手に持つとずっしりする。肌さわりがあったかい。図柄がたのしい。いつもおそうざいといった小さなおかずを品よく盛っては、そのたびに「いいなあ」と笑みが浮かべている。うちに来て、この茶碗を使った人はみんな欲しがる。着ている服を褒められたようでほんとうに嬉しい。今日は赤パプリカのマリネを盛った。
食いしん坊のクローゼット
001 三時のおやつに菊皿
002 アスティエの角皿
003 リーサ・ハッラマーのデザート皿
004 1930年代のカフェオレボウル
005 「if」のピューター皿
006 白磁の茶椀
007 木の平皿
008 ブルーウィローの皿
009 安南焼の茶碗
010 成田理俊のステンレス皿
011 サーラ・ホペアのコップ
012 仲村旨和のカッティングボード
013 レモンの木の小皿