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食いしん坊のクローゼット

今日もていねいに。の扉

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014 マルック・コソネンのバスケット

フィンランドのキッティラで見たオーロラの美しさが忘れられない。今か今かと待っていると、巨大なカーテンが突然、夜空にうごめきながら現れた。オーロラは音楽を奏でるかのように消えては現れを繰り返し、緑やピンクといった様々な色彩をも放った。あの夜のキッティラの森の香りも忘れがたい思い出だ。 フィンランドの木工作家にマルック・コソネンがいる。わが家には、彼が作ったとても貴重な柳のバスケットがひとつある。ある日、友人にキッティラの旅の話をしたら、「あなたが持っていたほうがいい」とプレゼントしてくれた宝物だ。スパイスの缶を置いたり、季節のフルーツを盛ったりしている。指で押すと、生きているかのように、ゆらゆらと揺れて、ぼくを楽しませてくれる。そのたびに友人のことやキッティラの旅をぼくは想うのだ。

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