012 仲村旨和のカッティングボード
食器棚の中には、大小のカッティングボードもある。僕にとってカッティングボードはお皿でもあるからだ。北大路魯山人の作品に「織部まな板皿」という、その名のとおり、まな板のかたちのお皿があるが、使いようによっては、木製のカッティングボードはとてもすぐれたお皿として重宝する。僕は長年、糸島の木工作家、仲村旨和さんのカッティングボードを使っている。木材はぬくもりのあるコナラや楓、樫や桜の木を使っていて、どれも木目が実にうつくしい。朝食時に、スライスしたパンを並べたり、焼き菓子やチーズ、ドライフルーツを盛ったり、お皿としての使い方は自由。その場で切り分けることができるのがいい。テーブルの上にカッティングボードがある景色はとても外国ふうで、いつかの旅が心に思い浮かんで、あたたかくも嬉しい気持ちになる。