栞日(長野)
栞日(長野)
本屋のススメ

栞日(長野)

長野県松本市にある「栞日」の菊地さんに、この季節におすすめしたい本やその一文など、日々の過ごし方のヒントにつながる話をうかがいました。

──── 栞日
長野県松本市の「栞日」は、独立出版を中心に扱う新刊書店であり、喫茶や展示室も併設した、本との時間をゆっくり味わえる場所です。売れ筋だけに寄らず、書き手の思いや考えが託された本を選び、読み手へ手渡すことを大切にしているのが特徴です。店内では本に加えてコーヒーや焼菓子も楽しめ、展示や催しを通して、本の周辺にある文化にも触れられます。
栞日という名前は、「流れ続ける毎日に、そっと栞を差す日」に由来するそうですが、その名のとおり、日常の中で少し立ち止まりたいときに訪れたくなる場所です。


季節のおすすめ by 店主・菊さん

この季節におすすめしたい本
『パンプルムース!』著:江國香織 / 絵:いわさきちひろ(講談社)

タイトルの響きから明るい気持ちになれるので、雨の季節にぴったりです。

好きな一文
「きのうまでのわたしはしらなかったけど きょうのわたしはもうそれをしってる」

「グレープフルーツのことを フランスごでは パンプルムースっていうのよ」に続く一節で、新しい言葉と出会う瑞々しい喜びにあふれています。視野が狭くなったり、考えが凝り固まったりし始めたとき、思い出すようにしている、お守りのような言葉でもあります。一冊を通じて、ハッとさせられる言葉といくつも出合える詩画集です。

──── オイシサノトビラでは、食べものの味そのものだけでなく、それを囲む時間や空気、そこで生まれる記憶まで含めて「オイシサ」と考えています。本の中で描かれている「オイシサ」で菊地さんが好きな本を教えてください。

オイシサが描かれている本
『ぼくの小鳥ちゃん』著:江國香織(新潮社刊)

食事は誰と食べるかで何倍にもおいしくなることが伝わる描写に「オイシサ」を感じます。小鳥ちゃんが「一番いいたべもの」という「ラム酒のかかったアイスクリーム」を、つい食べたくなってしまいます。

──── さいごに、菊地さんらしい「オイシサ」について教えてください。

父の日に息子が内緒で作ってくれたスイートポテトですね。息子の優しさと企てに「オイシサ」を感じました。

栞日
長野県松本市深志3-7-8
営業時間:7:00-20:00
定休日:水曜日
Instagram:@sioribi

本屋のススメ

twililight(東京)
本屋であり、ギャラリーであり、カフェでもある、文化をゆるやかにつなぐ場所。新刊書店だけでなく、古本やレコード、シャツや靴下、オリジナル商品も扱っています。出版やイベント、選書の仕事も手がけ、ここを訪れると、本を選ぶ時間に加えて、誰かの感覚やまなざしに触れる楽しさがあります。

BOOKSHOP TRAVELLER(東京)
独立書店を応援する活動「BOOKSHOP LOVER」主宰の和氣正幸さんが営む、「本屋のアンテナショップ+新刊書店」です。全国の実店舗のある本屋に加え、イベント出店やZINE、出版社、ブックカバー作家など、本に関わるさまざまなつくり手が棚をつくり、ここでの出会いをきっかけに各地の本屋へ足を運んでもらうことを目指しています。

BREAD & ROSES(千葉)
本を売るだけでなく、読む人の気持ちに寄り添う姿勢がはっきりした本屋です。店名には、Bread(パン=生きる糧)とRoses(バラ=誇りや尊厳)という意味が込められ、「人が生きていくうえで必要な本」を扱うという思いが示されています。

BOOKS&FARM ちいさな庭(岐阜)
本と農作物をあつかう小さな店です。農園では農薬や化学肥料、除草剤を使わずに育てた作物を並べ、本と食がゆるやかにつながる場をつくっています。本を選ぶ楽しさと、土のある暮らしの気配が同じ場所にあるのが、この店の魅力です。

栞日(長野)
独立出版を中心に扱う新刊書店であり、喫茶や展示室も併設した、本との時間をゆっくり味わえる場所です。売れ筋だけに寄らず、書き手の思いや考えが託された本を選び、読み手へ手渡すことを大切にしているのが特徴です。

恵文社一乗寺店(京都)
本を買うためだけでなく、本と過ごす時間そのものを楽しめる本屋。棚には、店のまなざしで選ばれた本が並び、文学や暮らし、絵本、雑貨まで、ページの向こうにある日常の気配がゆるやかにつながっています。目的の一冊を探すだけではなく、思いがけない本との出会いがあるのも魅力のひとつです。

ホホホ座浄土寺店(京都)
銀閣寺や法然院、哲学の道からほど近い静かな住宅街にある本屋です。1階には新刊書、斜め前の浄土寺センターには古書が並び、雑貨は作家ものを中心に、陶器や文房具、衣類まで幅広く扱っています。

本のすみか(大阪)
本を買う場所というより、自分の感覚で本と出会い直せる場所です。新刊、古本、ZINEが並び、気負わず手に取れる一方で、店主の選書にはまなざしの確かさがあります。普段は本をあまり読まない人にも開かれていて、「読んでみたい」と思わせる入口があるのも魅力です。

本屋ルヌガンガ(香川)
棚を見渡しやすい空間を生かして、思いがけない本を手に取るきっかけをつくってくれる本屋。読書会やトークイベントも開かれ、本を買うだけでなく、本を通じて人や考え方に触れられるのも魅力です。

本のあるところ ajiro(福岡)
海外文学や詩歌を中心に、本好きが集まる場としてつくられた書店兼カフェです。運営は福岡の出版社・書肆侃侃房で、店内には自社書籍のほか、一般の書店ではあまり見かけない本も並びます。トークショーや読書会、歌会などのイベントも開かれており、本を買うだけでなく、言葉にひたる時間を過ごせるのが魅力です。

MINOU BOOKS(福岡)
耳納連山の麓・うきは市で始まり、いまは久留米にも店を構える、本屋とカフェのある書店です。衣食住にまつわる本からアートブックまで、「暮らしの本屋」をテーマに、日々の生活に少し彩りを添える一冊を選んでいるのが魅力です。

連載

おいしさってなんだろう?をテーマに
その人らしい"おいしさ"をもつ
筆者たちの連載をお届けしています。

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