BOOKS&FARM ちいさな庭(岐阜)
BOOKS&FARM ちいさな庭の店主・大橋さんに、この季節におすすめしたい本やその一文など、日々の過ごし方のヒントにつながる話をうかがいました。
──── BOOKS&FARM ちいさな庭の大橋
岐阜県恵那市の「BOOKS&FARM ちいさな庭」は、本と農作物をあつかう小さな店です。農園では農薬や化学肥料、除草剤を使わずに育てた作物を並べ、本と食がゆるやかにつながる場をつくっています。本を選ぶ楽しさと、土のある暮らしの気配が同じ場所にあるのが、この店の魅力です。恵那の風土に根ざしながら、本を通じて日常を少し見直せる場所です。
季節のおすすめ by 店主・大橋さん
この季節におすすめしたい本
『農⺠芸術概論』 著:宮沢賢治(八燿堂)
雨音を聴きながら詩や芸術に心を動かす、楽しむ。そんなことがいかに私たちにとって必要なことであるかを 100 年前の宮沢賢治が教えてくれる本です。毎日仕事が忙しい人にこそおすすめしたいです。
好きな一文
芸術をもてあの灰色の労働を燃せ
ここにはわれら不断の潔く楽しい創造がある
都人よ 来ってわれらに交れ 世界よ 他意なきわれらを容れよ
(p 46)
宮沢賢治の、生活を全力で楽しもうとする姿勢やほとばしる情熱を感じられるところが好きです。仕事が忙しく気持ちや時間に余裕がなくなり、生活の大部分を労働が占めてしまっているときに思い出したりするんです。百年経っても人間はあまり変わらずしょうがない生き物だな、という気持ちと生きることを「楽しむ」ことを諦めてはいけないなと元気をもらえます。
──── オイシサノトビラでは、食べものの味そのものだけでなく、それを囲む時間や空気、そこで生まれる記憶まで含めて「オイシサ」と考えています。本の中で描かれている「オイシサ」で大橋さんが好きな本を教えてください。
オイシサが描かれている本
『珈琲屋』 大坊勝次/著、森光宗男/著(新潮社刊)
珈琲1杯を淹れるまでのしつらえ、音、所作、光、香り・・それらすべての描写がオイシサなのだと感じます。
閉店してしまいましたが、会社帰りに立ち寄った大坊珈琲店で大坊さんが淹れてくださる一杯の珈琲を思い出します。
──── さいごに、大橋さんらしい「オイシサ」について教えてください。
自分らしいかはわかりませんが・・畑をやっている人にしか食べられないおいしい食材がたくさんあります。間引き野菜や生のトウモロコシ、完熟したトマトなど。自分で育てた野菜や米を薪火でシンプルに調理して家族や仲間と食べるときが私の「オイシサ」なのかもしれません。
BOOKS&FARM ちいさな庭
岐阜県恵那市山岡町田沢 3381-2
営業時間:10:00~17:00
定休日:日・月・火・水
Instagram:@chiisananiwa_
本屋のススメ
twililight(東京)
本屋であり、ギャラリーであり、カフェでもある、文化をゆるやかにつなぐ場所。新刊書店だけでなく、古本やレコード、シャツや靴下、オリジナル商品も扱っています。出版やイベント、選書の仕事も手がけ、ここを訪れると、本を選ぶ時間に加えて、誰かの感覚やまなざしに触れる楽しさがあります。
BOOKSHOP TRAVELLER(東京)
独立書店を応援する活動「BOOKSHOP LOVER」主宰の和氣正幸さんが営む、「本屋のアンテナショップ+新刊書店」です。全国の実店舗のある本屋に加え、イベント出店やZINE、出版社、ブックカバー作家など、本に関わるさまざまなつくり手が棚をつくり、ここでの出会いをきっかけに各地の本屋へ足を運んでもらうことを目指しています。
BREAD & ROSES(千葉)
本を売るだけでなく、読む人の気持ちに寄り添う姿勢がはっきりした本屋です。店名には、Bread(パン=生きる糧)とRoses(バラ=誇りや尊厳)という意味が込められ、「人が生きていくうえで必要な本」を扱うという思いが示されています。
BOOKS&FARM ちいさな庭(岐阜)
本と農作物をあつかう小さな店です。農園では農薬や化学肥料、除草剤を使わずに育てた作物を並べ、本と食がゆるやかにつながる場をつくっています。本を選ぶ楽しさと、土のある暮らしの気配が同じ場所にあるのが、この店の魅力です。
栞日(長野)
独立出版を中心に扱う新刊書店であり、喫茶や展示室も併設した、本との時間をゆっくり味わえる場所です。売れ筋だけに寄らず、書き手の思いや考えが託された本を選び、読み手へ手渡すことを大切にしているのが特徴です。
恵文社一乗寺店(京都)
本を買うためだけでなく、本と過ごす時間そのものを楽しめる本屋。棚には、店のまなざしで選ばれた本が並び、文学や暮らし、絵本、雑貨まで、ページの向こうにある日常の気配がゆるやかにつながっています。目的の一冊を探すだけではなく、思いがけない本との出会いがあるのも魅力のひとつです。
ホホホ座浄土寺店(京都)
銀閣寺や法然院、哲学の道からほど近い静かな住宅街にある本屋です。1階には新刊書、斜め前の浄土寺センターには古書が並び、雑貨は作家ものを中心に、陶器や文房具、衣類まで幅広く扱っています。
本のすみか(大阪)
本を買う場所というより、自分の感覚で本と出会い直せる場所です。新刊、古本、ZINEが並び、気負わず手に取れる一方で、店主の選書にはまなざしの確かさがあります。普段は本をあまり読まない人にも開かれていて、「読んでみたい」と思わせる入口があるのも魅力です。
本屋ルヌガンガ(香川)
棚を見渡しやすい空間を生かして、思いがけない本を手に取るきっかけをつくってくれる本屋。読書会やトークイベントも開かれ、本を買うだけでなく、本を通じて人や考え方に触れられるのも魅力です。
本のあるところ ajiro(福岡)
海外文学や詩歌を中心に、本好きが集まる場としてつくられた書店兼カフェです。運営は福岡の出版社・書肆侃侃房で、店内には自社書籍のほか、一般の書店ではあまり見かけない本も並びます。トークショーや読書会、歌会などのイベントも開かれており、本を買うだけでなく、言葉にひたる時間を過ごせるのが魅力です。
MINOU BOOKS(福岡)
耳納連山の麓・うきは市で始まり、いまは久留米にも店を構える、本屋とカフェのある書店です。衣食住にまつわる本からアートブックまで、「暮らしの本屋」をテーマに、日々の生活に少し彩りを添える一冊を選んでいるのが魅力です。
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