BREAD & ROSES(千葉)
BREAD & ROSES(千葉)
本屋のススメ

BREAD & ROSES(千葉)

千葉・松戸にある「本屋 BREAD & ROSES」の店主・鈴木さんに、この季節におすすめしたい本やその一文など、日々の過ごし方のヒントにつながる話をうかがいました。

──── 本屋 BREAD & ROSES
千葉・松戸の「本屋 BREAD & ROSES」は、本を売るだけでなく、読む人の気持ちに寄り添う姿勢がはっきりした本屋です。店名には、Bread(パン=生きる糧)とRoses(バラ=誇りや尊厳)という意味が込められ、「人が生きていくうえで必要な本」を扱うという思いが示されています。生きづらさを感じている人や、世の中のありように疑問を持つ人に向けた選書が中心で、店内ではコーヒーやお菓子を楽しみながら本を読めるのも魅力です。


季節のおすすめ by 店主・鈴木さん

この季節におすすめしたい本
『虹にすわる』 著:瀧羽麻子(幻冬舎文庫)

椅子づくりに打ち込む若い職人たちの物語です。タイトルの「虹」は彼らの夢や、そこへの架け橋のようなものを表しています。雨上がりの虹(悪戦苦闘したあとの清々しさ)のようにも感じられ、この季節に読むのもいいのではと思いました。

好きな一文
「地道に経験を重ねていけば、いつかは虹に座れるかもしれない。ふたり並んで晴れやかな気持ちで世界を見渡せる日が、来るかもしれない。」

現代は夢や希望を持ちにくい時代。夢が叶うかどうかではなく、仲間と一緒に夢を追い求めようとする姿に羨ましさを感じます。本屋をやっていると色んな壁にぶち当たりますが、この一文は、何のためにやっているのか迷いが生じたときに思い出したりするんです。背中を押されたような…、そんな気持ちになりますね。
たとえば、夕暮れどき、本屋のカフェスペースで読んだら最高かもしれません。

──── オイシサノトビラでは、食べものの味そのものだけでなく、それを囲む時間や空気、そこで生まれる記憶まで含めて「オイシサ」と考えています。本の中で描かれている「オイシサ」で鈴木さんが好きな本を教えてください。

オイシサが描かれている本
『縁食論 孤食と共食のあいだ』 著:藤原辰史(ミシマ社)

「食のかたち」は私たちの幸福感や生き方にも大きく影響します。単にカロリーや味ではなく、誰と食べるのか、どんな時間を過ごすのか、といったことについて考えさせられる本です。
この本には、東京大空襲の最中、夫や子どもたちにおむすびを食べさせたいと、自分は食べずに帰りを待つ女性の話が出てきます。おむすびは1個、子どもは12人。どう分けていいか見当もつかないけど、ただひたすら帰りを待っている。状況によっては、おむすび1個がいかに貴重で重たいかということ。そういう感覚は持ち続けたいと思います。

──── さいごに、鈴木さんらしい「オイシサ」について教えてください。

本屋のカフェスペースで、たまにお客さまや友人たちと持ち寄りでお酒を飲むことがあります。話が弾めばなんでもおいしいものです。本屋をやっていると、どうしてもお金のかからないやり方にならざるを得ないのですが、本の話などを肴にしたらなんでもご馳走になるんです。

本屋BREAD&ROSES
千葉県松戸市常盤平4-8-15 ウエキビル1F
営業時間:12:00~20:00(日曜日18:00Close)
定休日:月曜日、火曜日
Instagram:@breadandroses0501

本屋のススメ

twililight(東京)
本屋であり、ギャラリーであり、カフェでもある、文化をゆるやかにつなぐ場所。新刊書店だけでなく、古本やレコード、シャツや靴下、オリジナル商品も扱っています。出版やイベント、選書の仕事も手がけ、ここを訪れると、本を選ぶ時間に加えて、誰かの感覚やまなざしに触れる楽しさがあります。

BOOKSHOP TRAVELLER(東京)
独立書店を応援する活動「BOOKSHOP LOVER」主宰の和氣正幸さんが営む、「本屋のアンテナショップ+新刊書店」です。全国の実店舗のある本屋に加え、イベント出店やZINE、出版社、ブックカバー作家など、本に関わるさまざまなつくり手が棚をつくり、ここでの出会いをきっかけに各地の本屋へ足を運んでもらうことを目指しています。

BREAD & ROSES(千葉)
本を売るだけでなく、読む人の気持ちに寄り添う姿勢がはっきりした本屋です。店名には、Bread(パン=生きる糧)とRoses(バラ=誇りや尊厳)という意味が込められ、「人が生きていくうえで必要な本」を扱うという思いが示されています。

BOOKS&FARM ちいさな庭(岐阜)
本と農作物をあつかう小さな店です。農園では農薬や化学肥料、除草剤を使わずに育てた作物を並べ、本と食がゆるやかにつながる場をつくっています。本を選ぶ楽しさと、土のある暮らしの気配が同じ場所にあるのが、この店の魅力です。

栞日(長野)
独立出版を中心に扱う新刊書店であり、喫茶や展示室も併設した、本との時間をゆっくり味わえる場所です。売れ筋だけに寄らず、書き手の思いや考えが託された本を選び、読み手へ手渡すことを大切にしているのが特徴です。

恵文社一乗寺店(京都)
本を買うためだけでなく、本と過ごす時間そのものを楽しめる本屋。棚には、店のまなざしで選ばれた本が並び、文学や暮らし、絵本、雑貨まで、ページの向こうにある日常の気配がゆるやかにつながっています。目的の一冊を探すだけではなく、思いがけない本との出会いがあるのも魅力のひとつです。

ホホホ座浄土寺店(京都)
銀閣寺や法然院、哲学の道からほど近い静かな住宅街にある本屋です。1階には新刊書、斜め前の浄土寺センターには古書が並び、雑貨は作家ものを中心に、陶器や文房具、衣類まで幅広く扱っています。

本のすみか(大阪)
本を買う場所というより、自分の感覚で本と出会い直せる場所です。新刊、古本、ZINEが並び、気負わず手に取れる一方で、店主の選書にはまなざしの確かさがあります。普段は本をあまり読まない人にも開かれていて、「読んでみたい」と思わせる入口があるのも魅力です。

本屋ルヌガンガ(香川)
棚を見渡しやすい空間を生かして、思いがけない本を手に取るきっかけをつくってくれる本屋。読書会やトークイベントも開かれ、本を買うだけでなく、本を通じて人や考え方に触れられるのも魅力です。

本のあるところ ajiro(福岡)
海外文学や詩歌を中心に、本好きが集まる場としてつくられた書店兼カフェです。運営は福岡の出版社・書肆侃侃房で、店内には自社書籍のほか、一般の書店ではあまり見かけない本も並びます。トークショーや読書会、歌会などのイベントも開かれており、本を買うだけでなく、言葉にひたる時間を過ごせるのが魅力です。

MINOU BOOKS(福岡)
耳納連山の麓・うきは市で始まり、いまは久留米にも店を構える、本屋とカフェのある書店です。衣食住にまつわる本からアートブックまで、「暮らしの本屋」をテーマに、日々の生活に少し彩りを添える一冊を選んでいるのが魅力です。

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