池田航|俳優
もし「いま会いたい人は?」と聞かれたら誰を浮かべますか。
ほとんどのことをスマホで完結できる時代ですが、時間をかけて出かけたり会ったりするからこそ生まれる会話や思い出があるのではないでしょうか。効率が求められがちな今だからこそ、あえて非効率にしてみる。そこには、心の豊かさがあるのかもしれません。
今回は「いま、会いたい人」をテーマにお届けします。
俳優・池田さんは、料理人からタレントへと活動の場を広げ、全国を巡りながら土地の食と人の魅力を伝えています。そんな池田さんの「いま会いたい人」について話を聞きました。
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池田航(いけだこう)|俳優
2019年4月期TokyoMX2「鎧勇騎月兎」で主演デビュー。同年TBS「グランメゾン東京」にレギュラー出演。代表作にドラマNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」ドラマ10「大奥」、初主演映画「四日間~Four days,Tokio」。調理師免許や食育インストラクターなどの資格を持ち、料理男子としても人気を集め、TikTokフォロワー120万越え。2023年から3年間日本テレビZIPの「旅するエプロン~30秒のごちそう~」で全47都道府県を三周して料理を披露した。
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オイシサノトビラ
池田さんがいま会いたい人はどなたですか。会いたいと思った理由もあわせて教えていただきたいです。
池田さん
会いたいのは、家族です。両親と祖父母、兄家族です。
東京に出てきて12年になるのですが、もともとあまり実家に帰省するタイプではありませんでした。芸能の世界に入ってからは定期的に富山に帰っていた時もありましたが、実家は富山駅からさらに車で1時間半かかる田舎にあるので、帰ろうと思って簡単に帰れる距離ではないんです。最近、僕の知らないうちに家族が体調を崩していたことを知って、会えるときに会っておきたいと思いました。家族は「心配をかけたくないから言わなかった」と言ってくれたのですが、数カ月に一回しか会うことができないと、久しぶりに両親や祖父母に会ったとき、老いを感じて少し切なくなりました。
富山での仕事があると、家族に会いたいと思うのですが、仕事を理由に後回しにしてしまう自分がいます。でも、やっぱり会いたいです。
ただ、家族と一緒にて会話が多いわけではないですね。そこは無理をしない場所というか、自分らしくいられる場所というか。原点に戻ることができる気がします。昔思っていた「東京で暮らしていけるように頑張るぞ」という真っ直ぐな気持ちが、自然と蘇ってきます。
オイシサノトビラ
ご家族との食事で、思い出に残っていることやオイシサの記憶について教えてください。
池田さん
家族と一緒にご飯を食べるときは、外食ではなくて、必ずお母さんが作ってくれるんです。僕が小さいころから好きだった「すき焼き」「カレイの煮付け」「イカの塩辛」... 着飾らない茶色い食卓ですね。今はそこに「お酒」があれば、それで十分なんです。あんなに田舎臭くて嫌いだった「ずいき」や、おばあちゃんの畑で採れた「皮の硬いトマト」、「甘くないスイカ」も、今ではすごくいい思い出です。今でもちゃんと自分の中に残っている気がします。

写真:池田さんの実家のすき焼き
オイシサノトビラ
わたしたちは、味や栄養、見た目だけではなく、その人にとって大切な食事こそ「オイシサ」だと考えています。池田さんにとっての「オイシサ」とはどのようなものでしょうか。
池田さん
僕にとっての「オイシサ」は、ストーリーを味わうこと。五感で味わう前に、「思い」を感じることですね。いまはAIやいろいろな技術が発達しているなかで、「本当の味」というのが失われつつあると思うんです。もちろん、それでいいこともあるのかもしれませんが、同時に食べる側も進化する必要があるとも感じています。誰かが作ってくれた一皿が、どんな思いで、どういう理由があって、どんな環境で生まれたのか。誰と食べるのか。そのストーリーを味わう努力をすることを、大切にしています。
オイシサノトビラ
家族への想いを感じることができるお話を、ありがとうございました。
了
いま、会いたい人
池田航|俳優
藤間爽子(藤間紫)|俳優・日本舞踊家
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