菊池日菜子|俳優
もし「いま会いたい人は?」と聞かれたら誰を浮かべますか。
ほとんどのことをスマホで完結できる時代ですが、時間をかけて出かけたり、会ったりするからこそ生まれる会話や思い出があるのではないでしょうか。効率が求められがちな今だからこそ、あえて非効率にしてみる。そこには、心の豊かさがあるのかもしれません。
今回は「いま、会いたい人」をテーマにお届けします。
映画やテレビドラマ、舞台などで幅広く活躍している福岡出身の俳優・菊池日菜子さん。今回は菊池さんに、「いま会いたい人」について聞きました。
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菊池日菜子(きくち ひなこ)俳優
2002年2月3日生まれ、福岡県出身。2020年から俳優として活動。映画『月の満ち欠け』(2022)で第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。出演作としては、映画『長崎―閃光の影で―』(2025)で主演を務めるほか、ドラマ『リラの花咲くけものみち』、舞台『醉いどれ天使』など。2026年は舞台『四畳半神話大系』、映画『君は映画』に出演。
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オイシサノトビラ
菊池さんが「いま会いたい人」はどなたでしょうか? 会いたいと思った理由もあわせて教えていただきたいです。
菊池さん
祖父です。ずっと近くに住んでいたので、母にこっぴどく叱られたときは、勝手におじいちゃんの家に行って、アイスを一緒に食べていました。昔から甘々に愛してくれるおじいちゃんは今もそのままで、毎秒ダジャレを言って笑わせてくれます。
大学進学をきっかけに上京して以来、東京と福岡の距離があるため、頻繁には会えません。そんな中でも「今会いたい!」と思ったときに会うようにしています。
オイシサノトビラ
菊池さんから見て、おじいさまはどのような方ですか。
菊池さん
私の知る中で、いちばん創造的な人です。家の木を使って、おもちゃの弓矢やパチンコをつくってくれたり、面白いオブジェをつくったり。立派な木の枝を見つけては手放さなかった私のために、ニッキの木の杖もつくってくれました。ちょっと削ると豊かなシナモンの香りがして、以来ずっと私の相棒でした。そばにあるもので心躍るものを創る祖父が大好きで、憧れです。

写真:幼い頃の菊池さん

写真:おじいちゃんが作った「笑わせグッズ」を付けた菊池さん

写真:おじいちゃんが作った干し柿
オイシサノトビラ
子どもの頃、おじいさまとはどのような時間を過ごしていたのでしょうか。
菊池さん
小学校の頃、習い事が終わるといつも、公民館の黒電話をコロコロ回して、祖父に迎えに来てもらっていました。私は今も昔も車のことをよく知らないのですが、祖父の乗るパジェロミニは大好きでした。
パジェロミニに乗り込んだ瞬間から宝探しの始まりで、車の中のどこか2か所に、前もってお菓子を隠してくれていました。祖父に電話するときのワクワクは、今でも鮮やかに覚えています。
オイシサノトビラ
おじいさまの家で食べたもので、よく覚えているものはありますか。
菊池さん
祖父母の家に行って、祖母が仕事に出ていたときは、お昼におじいちゃん特製チャーハンをつくってくれました。少し焦げているところがあって、パラパラとは正反対なチャーハンが本当においしくて、姉と並んでたくさん食べました。
最近ふと思い出して、祖母にその話をすると、「おじいちゃんが料理なんてありえない!」と言われましたが、私は確かに、おじいちゃんがキッチンに立つ姿を覚えています。
オイシサノトビラ
わたしたちは、味や栄養、見た目だけではなく、その人にとって大切な食事こそ「オイシサ」だと考えています。菊池さんにとっての「オイシサ」とはどのようなものでしょうか。
菊池さん
おいしいと思ったものは、大切な人に食べてほしい。オイシサが人と人とをつなぐと、直感しています。
帰省すると、東京のおいしいものを家族に食べてもらったり、帰京すると、福岡のおいしいものをマネージャーさんや現場でお世話になっている方々に食べてもらったり。同じものをおいしいと思うときが、いちばん和やかな気持ちになります。
オイシサノトビラ
お迎えの車に隠されたお菓子や、少し焦げたチャーハン。菊池さんの言葉から、おじいさまと過ごす時間の楽しさが伝わってきました。ありがとうございました。
了
テーマ|いま、会いたい人
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