川床明日香|俳優
もし「いま、会いたい人は?」と聞かれたら。
ほとんどのことをスマホで完結できる時代ですが、時間をかけて出かけたり、会ったりするからこそ生まれる会話や思い出があるのではないでしょうか。効率が求められがちな今だからこそ、あえて非効率にしてみる。そこには、今の私たちに必要な豊かさがあるのかもしれません。
雑誌『nicola』の専属モデルとして活動を始め、映画やドラマ、舞台へと活躍の場を広げてきた俳優・川床明日香さん。2021年には、サカナクションの「SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE」と、その後の全国ツアーに演者として参加しました。今回は、その現場をきっかけに出会った、映像プロダクションCAVIARのクリエイティブプロデューサー・中村ミサさんを「いま、会いたい人」に挙げてくれました。
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川床明日香(かわとこ あすか)俳優・モデル
2002年7月10日生まれ、福岡県出身。2014年、「第18回ニコラモデルオーディション」でグランプリを受賞し、雑誌『nicola』の専属モデルとして活動。映画『沈黙のパレード』『ブルーイマジン』『室町無頼』『長崎―閃光の影で―』、NHK連続テレビ小説『虎に翼』、舞台『フロイス―その死、書き残さず―』などに出演。NHK-FM「サカナクション・山口一郎 ~Night Fishing Radio~」にレギュラー出演中。
舞台『春よ来い、マジで来い』、初主演映画『うるさいこの音の全部』、劇場版『虎に翼』など公開待機作品も多数。
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オイシサノトビラ
川床さんが「いま会いたい人」はどなたでしょうか? 会いたいと思った理由もあわせて教えていただきたいです。
川床さん
私が会いたいのは、CAVIARのクリエイティブプロデューサー・中村ミサさんです。
みささんとは親子くらい歳が離れていますが、私にとって、お姉さんでもあり、先輩でもあり、友達でもあります。そして、私に「東京で生きていける」という安心をくれる存在です。
年に何度か一緒にごはんを食べています。ふとしたときに私から連絡をしたり、みささんが私の仕事の感想を送ってくれたりする、そんな距離にいる人です。
写真:中村さんと食事を重ねてきた時間
オイシサノトビラ
中村さんとは、どのように出会い、親しくなっていったのでしょうか。
川床さん
みささんと出会ったのは、2021年のサカナクション「SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE」です。私は演者として舞台に立ち、その後に始まったツアーでも、クリエイティブディレクターのみささんと一緒に全国を回りました。
公演が終わると、チームの皆さんと各地のおいしいものを食べに行き、いろいろな話をしました。そうして時間を重ねるうちに、気づけば家族のような存在になっていました。
当時、みささんは「何かあったら、いつでもうちにおいで」と言ってくれていました。
オイシサノトビラ
「何かあったら、いつでもうちにおいで」という言葉をもらって、本当に頼ることになったことは実際にありましたか。
川床さん
アダプトのツアーから1年ほどたった頃、自分の中のバランスがうまく取れなくなりました。ちょうど上京して1年が過ぎた頃で、それまで無理をしながら生活をこなそうとしていたことに気づいて、すべてのことが嫌になってしまったんです。
「このままでは一人でいられない」。そう思ったとき、みささんの「何かあったら、いつでもうちにおいで」という言葉を思い出し、泣きながら家に転がり込みました。今振り返ると、とんでもないことをしたなと思いますが、当時は必死でした(笑)
それから約1か月、みささんの家で居候生活を送りました。
オイシサノトビラ
中村さんの家で過ごした約1か月は、どのような日々でしたか。
川床さん
みささんと夜中まで一緒に話したこと、おいしいごはんをつくってくれたこと、駅まで迎えに来てくれたこと。みささんと一緒に過ごすうちに、「ああ、私は寂しかったんだな」と、自分の気持ちを認めてあげられるようになりました。
みささんとのあの時間があったからこそ、「東京にも帰る場所があるから、今、ここで生きていける」そう思います。
ありがとう。みささん。長生きしてね。
写真:中村さんと囲んだ食卓
オイシサノトビラ
中村さんがつくってくれたごはんのお話もありました。川床さんご自身にとっての食事についてもうかがいたいです。わたしたちは、味や栄養、見た目だけではなく、その人にとって大切な食事こそ「オイシサ」だと考えています。川床さんにとっての「オイシサ」とはどのようなものでしょうか。
川床さん
一人暮らしを始めてから、家族とのチャットに、自分で作ったごはんの写真を送り続けています。姉に言われたことがきっかけでしたが、「自分はちゃんと栄養のあるものを食べているよ」と家族に伝える意味もあるのだと思います。
それは、私が大切な人に向ける気持ちでもあります。大切な人には、おいしくて栄養のあるものを食べて、幸せに生きていてほしい。
誰かの幸せを願うとき、その幸せをかたちづくるものの一つが「オイシサ」なのだと思います。


写真:家族に送っている、川床さんが作ったごはんの写真
オイシサノトビラ
食事をつくることも、その写真を送ることも、相手が元気でいてくれるように願うこと。中村さんが川床さんにくれた安心と、川床さんが大切な人に向ける願いの、そのどちらにも、人を思う気持ちが流れているように感じました。ありがとうございました。
了
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