子供の頃は手持ち花火やロケット花火、ネズミ花火など、自分でやる花火が好きでしたが、歳を取るにつれて、いつの間にか観る花火の方が好きになっていました。大きな花火大会で迫力ある花火ショーを観ると、光と音に感動してしまいます。特に意識して変わったわけではないのに、歳を重ねるとともに感受性が豊かになり、何にでもすぐ感動してしまい、趣味嗜好も自然に変わってきたようです。
ところで、なぜ花火大会は夏に多いのでしょうか? 空気が澄んでいる冬の方が綺麗に見えそうですし、季節に関係なく開催しても良いのでは?と思っていましたが、少し調べてみると、「もともとは疫病などで亡くなった人々の慰霊のために花火が打ち上げられたのが始まりとされています。花火は本来、迎え火や送り火など魂や霊を供養するためのもの。そのためにお盆前後によく見られるようです。」という説明に妙に納得しました。そして、お盆の概念がない海外では、花火はまったく異なる意味を持つようで、大雑把に言えば、日本では鎮魂、海外では祝福という感じだそうです。
そんな夏の花火シーズンが終わると、アウトドアでの焚き火が楽しくなる季節が到来します。アウトドアでの火は、眺めるだけでなく、使うもの、育てるものとしても、最高の暇つぶしアイテムです。何より、アウトドア料理には欠かせませんし、火の扱い方次第でQOC(Quality of Camping = キャンプ思い出の質)が大きく変わってくると思います。
料理の火として使うだけなら、ガス缶を使う卓上コンロは簡単で便利ですし、家庭用コンロを使うことも可能です。ただし、標高が高かったり、外気温が低かったりすると、火力が十分に発揮できず、鍋の湯を沸騰させるのも難しくなります。そんな時、頼りになるのはガソリン系バーナーです。ガソリンを入れてポンピングし、プレヒートして、着火。ガソリン系ならではのシューッという噴射音を聞きながら、ワイルドにアウトドア料理を楽しみ、QOCの向上を実感します。
それでも、最も原始的でシンプルかつ抜群の火力を持つ焚き火や炭火も、アウトドア料理に欠かせません。ガソリンバーナーがあるのに、あえて焚き火で料理することにロマンを感じるキャンパーも多いことでしょう。そんなロマンあふれる火をおこす方法もさまざまで、一般的なライターやマッチを使わず、火打石や摩擦熱で着火することで、QOC度合いをさらに高め、ワイルドなキャンプを満喫する人も増えているようです。「そんな人見たことないよ!」という人も多いかもしれませんが、最近では100円ショップにもアウトドアグッズが充実しており、そのラインナップにファイヤースターター(西洋風火打石)もあります。数年前には100円ショップでこんなアイテムが手に入るなんて想像もしていませんでしたが、今では誰でも気軽に、超不便なアウトドア体験ができる時代になりました。未体験の方はぜひ一度試してみてください。ファイヤースターターでの着火技術を身につけておけば、いざという時に役立つかもしれません。
原始的な方法で火をおこすとなると、それなりの準備や労力が必要ですが、苦労して手に入れた火で料理を作ると、ただそれだけで味も格別になります。インスタントラーメンのお湯ですら、きっと味の違いを実感できるはずです。
普段の生活から考えると、ガソリンバーナーも焚き火も、料理をする上では非常に手間のかかる行為ですが、その行為こそが最高のQOC。非現実感が、アウトドア料理の最高のスパイスだと思います。
わたしの素
僕が愛用しているガソリンストーブは、新富士バーナーという会社が展開するSOTOというアウトドアブランドの「MUKAストーブ」というものです。本当に使い勝手が良く、アウトドア料理をする時には手放せない相棒となっています。そんな最高のアイテムをリリースする新富士バーナー。ご存じの方も多いかもしれませんが、東京オリンピックに続き、パリオリンピックでも聖火を運ぶトーチの燃焼部分を担当した、日本を代表する企業です。そのストーリーがあるだけで、ここの道具で料理を作れば美味しくなる気がします。
さらに、聖火トーチの制作依頼が来るだけあって、この会社の商品にはスライドガストーチ、ポケトーチ、マイクロトーチなど、トーチのジャンルだけで20種類以上のアイテムが揃っています。コンパクトでもしっかりと火力があるトーチを使って、サッと炙ることで、いつもの食材が手軽にワンランクアップします。炙りシメサバなんて最高ですが、個人的にはチーズ系ポテトチップスをさっと炙って出来立て風を楽しむのが好きです。ちなみに料理を炙ることに特化した「炙りマスター」シリーズにも用途や状況に応じて使い分けができるように6つのモデルがラインナップされています!! オリンピックが認めたトーチ制作会社は本当にこだわりが半端ないです。