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暮らしの中に生きるお花たち

暮らしの中に生きるお花たち

──── この夏ロンドンでの仕事をきっかけに、ミラノとヴェネツィアに滞在した篠崎さん。

ミラノは、ミラノサローネで作品を展示した際に「当時のミラノはわたしの視野を広げ、新たな発見をくれた」思い出の地だ。ヴェネツィアは、「ずっと行きたかった街」だという。インタビューでは、ヴェネツィアで感じたことについて語ってもらった。

旅で大事にしていること

旅行だけでなく、仕事でも訪れることの多い海外。篠崎さんはどのようなことを楽しみにしていますか。

「到着した空港からヴェネツィアの街までは、電車での移動だった。風景をゆっくりと眺めることができ、心地よい時間を過ごせた。
旅行先で自分が何を感じるかは、わたしにとってはとても重要なこと。
誰かに案内してもらったり、おすすめのお店を回ったりすることも好きだけど、自分で好きな場所を見つけたり感じたりすることは大切にしていることのひとつ。それは、自分自身の感性を磨くことにつながるから」

わたしにとってのヴェネツィア

ヴェネツィアは、ずっと行きたかった場所のひとつだったと話していました。どんな気持ちでしたか。

「ヴェネツィアはずっと行きたかった街。行く前から心が躍った。
旅行の行程上、滞在は2泊。街の音や音楽、食べ物、散歩、観光だったけれどそこに暮らす人々のような滞在を楽しむことができた。印象的だった話があって、それはヴェネツィア生まれのブランド、ゴールデングースについての話。世界的なブランドになった今でも、彼ら彼女らは自分たちが生まれたヴェネツィアに事務所を置き、その発展をずっと願っていると聞いた。その愛情と誇りは、ビルの2階にフラワーショップ“edenworks bedroom”を立ち上げたわたしにとっても心に響くものだった」

「話には聞いていたけれど、海の水位は想像以上の高さで今にも街に溢れてきそうだと感じた。
ヴェネツィアの人々は、自分たちの街が水没する可能性を胸に生きている。それでも人々は夕方になると生演奏を楽しみ、いつもどおりタクシーという名の船が水路を行き来する。その景色は、わたしがこれまでまったく見たことのない世界。いまにも店内に海水が入ってきそうなレストランの前にタクシーが停まる。それは道路ではなく、水路。その光景は、まるで映画の一シーンのようだと感じたんだ」

実際にヴェネツィアに行ってみて、篠崎さんが感じたことを教えてください。
「ヴェネツィアの街にはこの土地ならではだと感じる植物やお花が目に飛び込んでくる。街中の地面に土はほとんど見えないものの花や植物は確かに生息している。街の生活の一部となり、人々の生活を豊かにしていると感じた。他の街と比べると、ヴェネツィアの植物は少ないかもしれない。でも、その少なさが逆に、植物の存在をより特別なものにしているとも思う。ヴェネツィアでは、花を見つけるためには探さなければならない。ついつい探してしまうその行為は、花や植物をより美しく、より価値あるものにしているように思えた」

わたしの素

滞在は2泊と短い間でしたが、ヴェネツィアで記憶に残っている食事はありますか。

「ヴェネツィアでの滞在中、パスタ、オムレツ、魚介、生クリームがグラスの半分も入ったココア、いろいろなものを食べた。記憶に残っているのは料理一つ一つが芸術作品のようにうつくしかったこと。レストランには生演奏が流れ、みんながニコニコしていた。席のすぐ後ろの海には、タクシーが行き交っていた。街だけでなく、レストランもまったく見たことのない景色。自分の中に新しい感性が生まれた気がして、感謝の気持ちでいっぱいになった」

 

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