sou's coffee roastery
南越前町の今庄の町並みの中、昭和4年に建てられた元八百屋の建物で、カフェを任されている貢さん。今庄のこれからと、コーヒー、そしてみんなで食べるご飯の話を聞きました。
外から見えた、今庄の良さ
地元の人にとっては、当たり前の町並み。結婚を機に今庄に来た貢さんは、古い町並みの中でコーヒーを淹れながら、この町の良さを感じている。
オイシサノトビラ
カフェをやることになったのは、どんな流れだったんですか。
貢さん
今庄は夫の地元で、結婚してこちらへ来ました。この建物をどう活用しようかとなったとき、「人が集まる場所にしたい」とカフェをはじめることになりました。私はずっとコーヒーの仕事をしていて、淹れるのも接客も好きだったので、任せていただきました。
私は県外から来たので、今庄の町並みの良さはすごく感じますね。地元の方には当たり前かもしれないですけど、町の雰囲気のチャーミングさっていうか。県外や福井の市内からもお客さんが来てくれて、「懐かしい」って言ってくれます。
オイシサノトビラ
これから今庄の町が、どうなっていくとうれしいですか。
貢さん
最近は、お子さんを連れた若い世代のご家族が、車で来てくれるようになりました。大阪方面から旅行に行く途中に寄ってくれる人もいて、今庄が中継地みたいになってきています。
これまでは「ここに来なきゃ」っていう感じだったけど、立ち寄ればいいんです、みたいな。福井に行く途中に立ち寄れる場所になれるかもしれないなって。町に来てもらって、町にいる時間が延びたら、うれしいなと思います。
この町ならではの、お裾分け
今庄に来て2年半。町の人とは距離が近く、さまざまな交流もあると話す。
オイシサノトビラ
お店をはじめたとき、町の方たちの反応はどうでしたか。
貢さん
すごいウェルカムでした。優しくて。新しいことをしてお客さんが増えると地元の人に迷惑をかけたりすることもありますよね。でも、人がいっぱい来てよろこんでくださってたり、お客さんに「どっから来たの」って声をかけてくれたりもして。
オイシサノトビラ
町の方とは、どんなやりとりがありますか。
貢さん
近くの方から「酒粕がいっぱい余るから、使って」って言ってもらって、酒粕のラテにしたり。梅が余ったときには「使って」って言っていただいて、梅のソーダにしたり。そうやって、余っているものがお客さんに届く。町の中でものが循環している感じがあって、この町ならではのお裾分けだなと思います。
商品じゃなくて、時間を提供したい
メニューを考えるのも貢さんの仕事。「その組み合わせ、ありだな」。そんなお客さんの顔を見るのが好きだという。
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オイシサノトビラ
お客さんを迎えるときに、大事にしているのはどんなことですか。
貢さん
メニューは私が考えていて、「おいしいね」っていう感覚を発見してもらえたらいいなって。「その組み合わせ、ありだな」っていう顔を見るのが、すごい好きなんです。
でも、おいしいものを出すのは前提で。結局、最後に「おいしかった」「いい時間だった」って思ってもらえるところが必要だなと。それが私の接客ポリシーで、学生時代からずっと思っていることなんです。
オイシサノトビラ
そう思うようになったのは、何がきっかけだったんですか。
貢さん
最初の入り口は、栄養の勉強でした。栄養学を学んでいて、何を食べるかだけじゃなくて、誰とどう食べるかも大事なんだと知って。孤食とか言われるじゃないですか。楽しく食べられるかどうかって、空間にも左右されるなと思って、カフェの空間に興味を持ったんです。
コーヒーをきっかけに、アイデアが生まれたり、会話が弾んだり。このコーヒーがあったから、ちょっと充実した時間だったな、って思ってもらえるコーヒーを提供できるといいなと。最終的に、心地よかった、また来たいな、って思ってくれないと、私的には、飲食を提供する意味がないなと思っていて。商品を提供するんじゃなくて、時間を提供する。
オイシサノトビラ
さいごに、貢さんがオイシサを感じる食事について教えてください。
貢さん
うちの会社って、よく食事会をするんです。お店の庭でスタッフとバーベキューをしたり、社屋のほうで、みんなで韓国料理パーティーをしたり。誰かが「今日は何パーティーにしましょう」って言って、「じゃあ私、これ作ります」みたいな感じで。
決まった頻度があるわけじゃなくて、イベントの後に「おつかれさま」って、この時にやろう、みたいな。誰かが「ご飯みんなで食べたい」って言ったら、「じゃあやろっか」って。仕事の中で、プライベートも共にしていて、その雰囲気がお客さんにも出るのかなと思います。何がテーマとかじゃなくて、みんなで集まって、食べるんです。
料理そのものがおいしいのもあるんですけど、みんなで囲んで食べるのが、おいしいんです。お店で届けたい「いい時間」も、きっと同じことなんだと思います。
了