季節のお知らせ|白露
季節のお知らせ|白露
編集部

季節のお知らせ|白露

9月7日 ー9月21日頃は白露(はくろ)と言い、草木に降りた露が白く見える頃とされています。日中にはまだ残暑が続きますが、朝晩の空気には少しずつ涼しさが混じり、草の上の露や鳥の声に、秋がふと近くなったと感じる時季です。

季節というと春夏秋冬の四季を思い浮かべますが、一年を24に分け、季節の移ろいを表した「二十四節気」という暦があります。そして、二十四節気をさらに3つに分けたものが「七十二候」。白露のおよそ15日間にも、自然は少しずつ姿を変えていきます。草に露が降り、鶺鴒の声が響き、つばめが南へ帰っていくという、3つの小さな季節があります。

そうした季節のうつろいに合うオイシサの話をお届けします。

第四十三候|草露白(くさの つゆ しろし)
「ほんとうのいろ」篠崎恵美|edenworks 主宰

第四十四候|鶺鴒鳴(せきれい なく) 
「everything for good times.」松浦弥太郎|エッセイスト

第四十五候|玄鳥去(つばめ さる)
「海の消えた街」菅原敏|詩人

9月7日 ー11日頃
第四十三候|草露白(くさの つゆ しろし)
朝晩の気温が下がり、草木の葉に白く光る露が宿る頃。「露が降りると晴れ」ともいわれ、足元を濡らす朝露は、その日の空模様を知る手がかりでした。日中はまだ暑くても、朝の葉先にそっと触れれば、指先に伝わる冷たさに、秋の訪れを感じます。眺めるだけでなく、自分の手で触れ、確かめてみる。そうして初めてわかることがあります。

この季節にお届けする話
ほんとうのいろ|篠崎恵美(edenworks 主宰)
紙の花の新しい色を求めて、奄美大島を訪れた篠崎恵美さん。植物を採り、枝と葉を分け、煮出した染料で和紙を何度も染めていきます。季節や気温によって変わる色は、見本を眺めるだけではわかりません。土地へ行き、植物に触れ、自分の手を動かしたからこそ出会えた、植物の「ほんとうのいろ」についてのお話です。

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9月12日 ー16日頃
第四十四候|鶺鴒鳴(せきれい なく)
水辺や家々の軒先、石垣のそばで、鶺鴒の「チチチチチ」という高い声が聞こえる頃。長い尾を上下に振って歩く小さな鳥で、その仕草から「イシタタキ」とも呼ばれます。小さな鳥を見つめた人のまなざしが残る呼び名です。何というのか知らないまま、生活になじんでいるものもありますが、その名に込められた思いを知ると、親しんできた時間まで少し違って感じられます。

この季節にお届けする話
everything for good times.|松浦弥太郎(エッセイスト)
旅先のニューヨークで、松浦弥太郎さんが毎日のように通った小さな食堂。店には看板がなく、松浦さんにとってはずっと「マリーさんとアレンさんの店」でした。ある日、白いマグカップに小さく書かれた「good times」が店の名前だと知り、その名前に込められた意味を聞きます。店の名前を知ることで、ハニーマスタードソースのおいしさや、そこで過ごしたあたたかな時間が、いっそう大切に感じられる話です。

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9月17日 ー21日頃
第四十五候|玄鳥去(つばめ さる)
春に日本へやってきたつばめは、子育てを終えると、暖かい南の地域へ帰っていきます。春から夏にかけて、軒先や空に姿を見せていたこの鳥も、この頃には少しずつ見かけなくなります。毎日意識していたわけではなくても、姿を見かけなくなった頃、つばめがいた季節をあとから思い出す。見えなくなったことが、季節の移ろいを知らせることがあります。

春に日本へやってきたつばめは、子育てを終えると、暖かい南の地域へ帰っていきます。春から夏にかけて、軒先や空に姿を見せていたこの鳥も、この頃には少しずつ見かけなくなります。毎日意識していたわけではなくても、姿を見かけなくなった頃、つばめがいた季節をあとから思い出す。見えなくなったことが、季節の移ろいを知らせることがあります。

この季節にお届けする話
海の消えた街|菅原敏(詩人)
菅原敏さんの暮らす街で、68年続いた魚屋が店を閉じました。季節の魚を選ぶたび、店主が添えてくれた「おいしいよね」のひとこと。閉じたシャッターを見て初めて、そこが街と日々の食卓をつなぐ「小さな海」だったことに気づきます。店がなくなってから、その店が日々の暮らしに残していたものを、少し寂しく、あたたかな気持ちで思い返す話です。

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白露の15日間には、草に露が降り、鶺鴒が鳴き、つばめが南へ帰っていきます。けれど、季節が動いたと感じる瞬間は、自然の変化だけにあるわけではありません。

触れてはじめて、わかったもの。
名前を知らないまま、いつもそばにあったもの。
いなくなってから、そこにあったと気づくもの。

二十四節気、七十二候をきっかけに、この季節の「オイシサ」を楽しんでみてください。

次の二十四節気は、秋分(しゅうぶん)です。

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