季節のお知らせ|秋分
9月23日 〜 10月7日頃は秋分(しゅうぶん)と言い、太陽が真東から昇り、真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる頃とされています。秋分の日と前後3日間を合わせた7日間は「秋のお彼岸」。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉どおり、残暑が落ち着き、秋の爽やかな空気が広がっていく時季です。
季節というと春夏秋冬の四季を思い浮かべますが、一年を24に分け、季節の移ろいを表した「二十四節気」という暦があります。そして、二十四節気をさらに3つに分けたものが「七十二候」。秋分のおよそ15日間にも、自然は少しずつ姿を変えていきます。雷が鳴りを収め、虫たちが土へ隠れ、田んぼでは水を落として稲刈りの準備が始まるという、3つの小さな季節があります。
そうした季節のうつろいに合うオイシサの話をお届けします。
第四十六候|雷乃収声(かみなり すなわち こえを おさむ)
「あの人のおいしさ」藤間爽子
第四十七候|蟄虫培戸(むし かくれて とを ふさぐ)
「人生のやることリスト。」在原みゆ紀
第四十八候|水始涸(みず はじめて かる)
「あの人のおいしさ」良原リエ
9月23日 - 27日頃
第四十六候|雷乃収声(かみなり すなわち こえを おさむ)
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉どおり、残暑が落ち着き、秋らしい爽やかな陽気に包まれる頃。夏の空に立ち上がった雷雲に代わり、鱗雲が高い空に広がります。大きく鳴り響いていた雷が去ったあとの空に、ふっと静けさが戻る。忙しい日々にも、そんなふうにひと息つく時間があります。

この季節にお届けする話
「あの人のおいしさ」|藤間爽子(俳優)
俳優と日本舞踊家として、忙しい日々を送る藤間爽子さん。日本舞踊のかつら合わせで人形町を訪れるときは、老舗の甘味処〈初音〉へ立ち寄り、決まって御膳しるこを頼みます。台本も携帯もしまい、御膳しるこのやさしい甘さとお茶を味わううちに、気持ちが自然と切り替わる。ひと息つく時間が、また明日へ向かう力になるお話です。

9月28日 - 10月2日頃
第四十七候|蟄虫培戸(むし かくれて とを ふさぐ)
虫たちが姿を隠し、冬を越す場所へ移る頃。カマキリやコオロギは卵を残し、モンシロ蝶やアゲハ蝶の幼虫はさなぎになり、てんとう虫やクワガタは成虫のまま、土の中や木の根元で春を待ちます。寒さに向かう頃、それぞれに合った姿や居場所へ、暮らしを切り替えていきます。季節の境目は、私たちの過ごし方を見直すきっかけにもなります。

この季節にお届けする話
人生のやることリスト。|在原みゆ紀(モデル)
楽しみな予定まで、つい「やること」に変えてしまうという在原みゆ紀さん。友人との福島旅行では、一日三食という普段のリズムを離れ、朝から喜多方ラーメンを食べるなど、自由に食を楽しみます。旅から戻ったあと、食や生活のリズムに少し余白をつくろうと思ったと話します。いつもの決まりをゆるめたことで、暮らし方に新しい選択肢が生まれたお話です。

10月3日 - 7日頃
第四十八候|水始涸(みず はじめて かる)
色づいた稲穂が頭を垂れ、田んぼの水を落として、刈り入れに備える頃。種籾の用意からおよそ半年。「米作りには八十八の手間がかかる」といわれる時間を経て、一面は黄金色に変わります。食べ頃を待つあいだにも、育っていく姿を見守る楽しみがあります。

この季節にお届けする話
「あの人のおいしさ」|良原リエ(音楽家)
音楽活動のかたわら、自宅の「食べられる庭」で植物を育てている良原リエさん。芽が出て、葉が茂り、実が大きくなるまでを観察しながら、野菜や果物がいちばんおいしくなる時を待ちます。毎年仕込む梅干しも、食べるのは三年以上たってから。庭の時間を通して、旬をそのまま味わうことのぜいたくに気づくお話です。

秋分の15日間。雷が鳴りを収め、虫たちは冬を越す場所へと入り、田んぼでは稲刈りの支度が始まります。季節が移ろうなか、自然は少しずつ次の季節への準備を進めています。
そんな秋を迎える支度は、私たちの暮らしのなかにもあるのかもしれません。
忙しい日々の途中で、ひと息つくこと。
いつもの習慣を見つめ直し、暮らし方を少し変えてみること。
日々の小さな成長を、楽しみながら過ごすこと。
二十四節気、七十二候をきっかけに、身近な季節の移ろいに目を向けながら、この時季ならではの「オイシサ」を楽しんでみてください。
次の二十四節気は、寒露(かんろ)です。
メッセージ