季節のお知らせ|芒種
あの人のおいしさ

季節のお知らせ|芒種

季節というと四季を思い浮かべますが、季節をさらに分けた二十四節気と七十二候という暦があります。

二十四節気(にじゅうしせっき)は、1年を24に分けて季節の移ろいを表した暦。立春、夏至、秋分、冬至などがよく知られており、約15日ごとに季節の節目が設けられています。農作業や暮らしの目安として、古くから親しまれてきました。


この時期「芒種(ぼうしゅ)」とは、日ごとに上昇する気温に合わせ、万物の成長が著しくなる時期です。畑の麦は大きく穂を実らせ、草木の緑もくっきりと色濃くなっていきます。やわらかな風が吹き抜け、虫や鳥たちの気配もいっそう身近に感じられる頃です。

七十二候(しちじゅうにこう)は、その二十四節気をさらに3つに分けたもので、1年を72の季節に分けて表します。芒種の時季にあたる候をご紹介します。

第二十五候|6月5日 - 6月9日頃
蟷螂生(かまきり しょうず)

蟷螂生(かまきりしょうず)は、秋に産み付けられた卵からかまきりの幼虫が孵化し、姿を現しはじめる頃を表しています。小さな体ながらも前脚を構える姿は、すでに一人前のかまきりそのものです。田畑や草むらではさまざまな虫たちが活動を始め、生命の営みがいっそう活発になります。田植えが進み、草木が勢いよく育つこの時季は、生きものたちもまた次の季節へ向けて歩みを進めています。

第二十六候|6月10日 - 6月15日頃
腐草為蛍(くされたる くさ ほたると なる)

腐草為蛍は、蒸れて腐りかけた草が蛍になるという古人の幻想的な考えが込められています。実際には蛍は幼虫から成長した昆虫ですが、暗闇のなかで青白く光る姿は、まるで草木から生まれたかのような神秘的な美しさがあります。梅雨の湿り気を帯びた空気のなか、川辺や草むらでは蛍がほのかな光を放ち始めます。蒸し暑さが増す季節ではありますが、夜の静けさのなかで揺れる光に出会うと、束の間の涼やかさを感じることができます。

第二十七候|6月15日 - 6月20日頃
梅子黄(うめの み きばむ)

梅子黄は、青々としていた梅の実が熟し、薄黄色く色づきはじめる頃を表しています。ちょうど梅雨入りの時期とも重なり、雨に濡れた梅の木には、ふっくらと実った果実が目立つようになります。収穫された梅は、梅干しや梅酒、梅シロップなどに加工され、日本の食文化を支える大切な恵みとなります。「梅雨(つゆ・ばいう)」という言葉は、梅の実が熟す頃に降る雨に由来するといわれています。一方で、湿度が高く黴(かび)が生えやすいことから、「黴雨(ばいう)」と書かれることもありました。

季節の小さな変化に目を向けながら、自然とともに暮らしてきた人々の感覚が息づく暦。
マイページでは、季節のオイシサをたのしむヒントとして、二十四節気と七十二候についてお届けしています。

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