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奇跡の花畑

奇跡の花畑

──── みなさんは、いつか絶対に行くと決めている場所はありますか。
篠崎さんが最近訪れたのは、そう決意していた場所。ただ、そこはいくつか自然の条件が揃わなければならない場所でした。


最近アメリカのカリフォルニアに行ってきたとうかがいました。

「4月に3泊5日で行ってきました。行くって決めたのは2週間前くらい。この機会を逃したらだめだと思った。予定をどうにか調整して行ってきました」


「花の仕事をはじめた頃に、Superbloomのことを知り、絶対に行きたいと思っていました。人の手が入っていない自然の花畑を見ることが私の夢で、インスピレーション源にもなっています」


Superbloom・・・米国南西部の乾燥地帯で野草がいっせいに開花する伝説的な現象。冬の降水量が多いと、春になって砂漠に野生の花が一斉に咲き出す現象。 10年に1回程度などと言われている。


「カリフォルニアって、気温差があまりなくて雨も降らない。でも冬にだけ大雨が降ることがあって、その次の春にSuperbloomが起こると言われているみたい」

「通常は木や草も生えていない岩山だらけなのだけど、地中には種が眠っていて、冬の大雨で水分を吸収し目覚める。岩山や砂漠に、お花畑が一面に広がるのは、もう夢の世界だと思う。ただ、降水量が少なかったり気温が寒すぎたり、いろいろな条件が揃わないと咲いてくれない。でも、今年は咲くみたいとロサンゼルスの友人から聞いて、すぐに飛行機を予約しました」

「種が落ちて、そこから芽が出て育った先に、花が咲いて。花をめがけて虫が飛んできて、花粉を運んで、受粉してまた種ができて。そのサイクルが自然に行われている姿をずっと見たいって思っていた。いつも思うことは、"自然に勝るものはない"ということ。自然に敬意をもって仕事をしたい。だから、本物の自然に身を置くことで、自分が何を感じるのか、『なにがしたい?』と自分に問いかけてみたかった」

「ここ数年、ずっと走り続けてきたから、一瞬だけでも立ち止まって、自分が次に向かうためのインプットをしたかった」

実際に行ってみてどうでしたか。伝説的な現象とも言われているみたいですね。

「案内してくれた友人は『三分咲きくらい』と言っていた。今年の春が寒いのもあるみたい。こんなところにも気候変動を感じてしまった。でも私には目の前の景色はこの上ないくらいの光景で、自然に涙が出てきたんです」

「黄色と紫色が混じり合う世界観って、もう奇跡だって思った」

今回の旅では、満開のSuperbloomを見ることができなかっただけではなく、他にもセコイア国立公園も天候の影響で行けなかったという。


「自然は甘くない。でも今回、三分咲きでも見ることができて、本当によかった。5月につくる新しいインスタレーションのイメージトレーニングもできたし、満開を見るという新しい夢もできたし。私ははじめ花を踏むことができなくて、花畑の中まで入ることができず手前で立ちすくんでいたんだけど、友人が"花は踏んで強くなるから"と言っていた。人間も同じだなぁって」

わたしの素

「一日目の夜に食べたピザ。すごくおいしかったのもあるけど、そのピザ屋さんのメッセージに、“BE BUDDIES NOT BULLIES”ってあって、感動。いじめっ子ではなく、仲間になろうって意味。とってもいい言葉だなぁって」

「お店のスタッフもとても親切で。こういった精神が世界に広がるといいなぁと感じた日でした」

花と世界の扉 アンバサダー

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