飾らない、素直に自分のことを話す人だなと思う。
関西テレビ放送でドラマプロデューサーを務めるかたわら、CANSOKSHAの代表を務める佐野亜裕美さんのことだ。
佐野亜裕美という名前を知らなくとも、プロデューサーとして彼女が携わったドラマの名前をあげれば、身近に感じる人はきっと多いと思う。「ウロボロス」「おかしの家」「99.9 刑事専門弁護士」「カルテット」「この世界の片隅に」「大豆田とわ子と三人の元夫」「17才の帝国」「エルピス」・・・。社会に影響を与えたり、世の中に一石を投じるような名だたるドラマを、プロデューサーとして仲間とともに世の中に贈り出してきた。
6年以上かけてドラマ「エルピス」を世の中に贈り出すような情熱を持ちつつ、
会社の新入社員に向けて求められたコメントの中で「帰属意識の低いタイプなので、会社の未来、ということはあまり考えたことがありません」(あくまで一部抜粋)と、冷静に自分のスタンスについて話をする。
会社に対して、女性が働きやすい(働き続けやすい)環境を整えるために助言し、後輩の相談にも自身の経験や意志をはっきり伝える。
最近、子供が生まれた。
そんな多才な彼女のひとつの顔が、「社会に黙殺される声なき声に耳を澄ませ日々忙殺され見えないものに目を凝らすそんな観測者(CANSOKSHA)の集団」の代表である。関西テレビやCANSOKSHAを立ち上げた思いについては、今後佐野さんから語ってもらう予定だ。
「映像と記憶」の扉では、社会を観測し自分の目線を大切にしている佐野さん、さらに仕事の仲間が語る”おいしい“についてお届けしていく。