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自然と、道具の扉

自然と、道具の扉

竹下さんと出会ったのは、彼がプロデューサーを務めるキャンプイベントの打ち合わせだった。

アウトドアカルチャー雑誌「GO OUT」、ライフスタイルファッション雑誌「THE DAY」、キャンプイベント、最近ではゴルフの概念を変えていく「GOLF OUT」など、さまざまなメディアをプロデュースしてきた。富士山の麓で開催されるキャンプイベントは、いまでは日本最大級のイベントと呼ばれている。

自分の好きなことを仕事にしてきた人のように思えるが、たぶんものすごく苦労をしている。ただ、その苦労を決して見せない。それよりも自分の周りの人がうまくやってくれたのだと周りの人を褒める。彼自身は前に立とうとしない。
プロデューサーとはそういうものといえばそうかもしれないが、彼の場合は役職よりも人柄という言葉が相応しいように思う。彼は自分のことを「何でも屋」と言い、断れない性格だと話す。

竹下さんらしいと思える出来事があった。
キャンプイベントの開幕。参加者が集まる中での、プロデューサーとしての彼の挨拶の時だ。イベントを盛り上げるために、音楽フェスでよくある「元気ですかー?楽しんでますかー?」など、多くの人の前で普段とは異なる彼の一面を見ることができるのかと思っていた。
予想に反してそこでも彼はいつも通りだった。ボソボソっと「どうも、プロデューサーの竹下です」と、いつもと変わらない口調で話を切り出す。外だからなのか、いつもよりもボソボソっと聞こえる。挨拶は、最後までいつもの口調だった。

外遊びが好きな広島の少年時代は、ずっと自然と向き合ってきたという。
海、山、自然を道具にして、ずっと遊びを楽しんできた。その経験がいまに活かされているのだろう、OUTという言葉がとてもよく似合う。

今回の連載をお願いした際、その日その場で「こんな僕でよければ、ぜひ」と参加を決めてくれた。控えめで素直、人との関わりを大事にしている竹下さんの大切なおいしい記憶を見せてくれることを期待したい。

「自然と、道具」の扉では、自然が大好きで、自然と道具でとことん遊んできた竹下さん、そして彼の仲間が語る”おいしい“についてお届けしていく。

オイシサノトビラ編集部

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