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考え方をやわらかく。

考え方をやわらかく。

──── 扉の名のとおり、在原さんのおいしいの周りには「人と時間」が関係する。これまで、家族のこと、仕事のこと、友人との旅行のこと、記憶にのこっている食事、彼女の素となっている食事について話をしてもらった。
新生活の季節。SNSなどでほとんど話さない自分自身のことや、いま考えていることについて話を聞いた。

 

記憶にのこる食事との出合い

ご自身の食事について、最近いろいろ許せるようになってきたと聞きました。モデルのお仕事をする前に少し戻った感じがするって。

「そうなんです。これまでは仕事が入ると、そこに向けてすべてをがんばってしまう自分がいました。そうすると、食事も仕事に向けの調整ごとになってしまうので、十分楽しめてなかったんですよね、たぶん。撮影までがんばっても、また次の撮影が入ると、がんばることが続いてしまっていたんです。これまでは本当に仕事中心の生活になってしまっていたなって思います」。

「この前、福島に行ったときも『ここまで来たんだから食べておかなくちゃ』と思って、朝ラーメンとか食べましたし。少し遠くまで出かけたときのほうが、いい意味の義務感がありますよね。そうやって朝ラーメンを食べてからは、ラーメンが少し許容範囲になったり、少し食べ物に対する変化があったんです。これまでまったく食べなかったとかではないんですが、やっぱり仕事のことを思うとなかなか食べようとは思えませんでした」。

在原さんにとってのおいしい食事って聞かれたら、何を思い浮かべますか。

「いろいろおいしいものを食べたり、自分が好きなものはあったりするけれど、おいしい食事について思い出す時って、単純にめちゃくちゃおいしかったというものだけではないと思うんです。たとえば、わたしは天気とおいしいという記憶がつながっていたりします。自称ですが、恐らく晴れ女で、撮影のときや仕事の大事なタイミングには晴れることが多いんですよね。天気が良いときにみんなで食べた食事は記憶に残っていたりします。あとは、あまり深く考えずにたまたま、素直な気持ちで出合った食事のほうが覚えているかもしれません」。

おいしい食事の記憶と天気が結びつくっておもしろいですね。あまり考えないというのは、例えばどのようなことですか。

「最近だと車を運転して山梨に行ったんですが、旅館で出てきたご飯は、なぜかとってもおいしくて記憶にのこっています。仲の良い友だちとだったし、春を感じられる食事だったからかもしれないですけど…。これを食べに行くぞっと思う食事よりは、何気なく誰かと食べた食事のほうが覚えています」。

これまでは、大好きな食べることも仕事があるとなかなか楽しむことができなかった。ただ、いろいろな経験をしていくことで、これまで積極的になれなかったラーメンが、自分の中では、許される範囲に変わっていくこともあった。

まだ20代半ばの食べることが大好きな彼女が、これからどんなおいしいと出合っていくのか、これからも注目していきたい。

自分らしくいるための練習期間

ここ半年くらいを考えても、価値観というか仕事のペースが変わったと聞きました。

「一生のことを考えると、これまでの人生ががんばりすぎていた気がしたんです。学生の時は、ずっと勉強していましたし、モデルのお仕事では、大好きな食べることを調整したり控えたりを結構ストイックにやっていました。撮影までがんばって、でもまた次の撮影が入るので、それに向けてがんばって、本当に仕事中心の生活になってしまっていました。でも、そんなにがんばり続けていたら、どこかで続かなくなってしまうと感じました」。

「今は、自分を許してあげるというか、このぐらいでいいんだよって思う練習期間だなと思えるようになった。周りの人、近くで自分のことを見てくれている人は、がんばっている自分に見えるから、自分をもうちょっと許してあげよう。『練習していかないと、今後きついよ』ってアドバイスをくれる人もいる。だから、ちょっと太っちゃったかもしれないけど、まあそういった日もあるよね、くらいの気持ちでいようと思っています。仕事に向けて、がんばろうって思えますし」。

どちらの自分が自分らしいとか、好きとかはありますか。

「どっちが好きとかは分からないですけど、前の方が自分らしいとは思います。ただ、今は少しゆとりを持つときなんだなって思うようにしています。ラクというと手を抜いているように聞こえてしまうかもしれないですけど、そういうことではなくて。このくらいがいいんだろうなって思うようにしています。うん、そう思えるようになりました。なので、心地いいのは今かもしれない。前は結構どちらかというと考えすぎてしまって。考えすぎて、大変だったなって思います」。

わたしの素

最近の記憶にのこっている食事について尋ねてみた。

「たい焼きが、とってもおいしいかった。久しぶりに食べて、たい焼きってやっぱりかわいいしおいしいって。たまたま行ったデパ地下で売っていて、友人と買って久しぶりに食べました」。

「ケーキやクッキーとかも好きだし、流行っているスイーツももちろん食べたりします。でも、久しぶりにたい焼きを食べて『そうだ、わたしはたい焼きが好きだった』って思い出しました。もし食べ物をプレゼントするときがあったら、ケーキとかじゃなくてたい焼きを選ぶかもしれないって思うくらい。たい焼きで、おすすめのお店もあります。あと、今川焼でも好きなお店とか、すぐ言えます」。

都内だけでなく、近郊のお店など、彼女のスマホからすぐに写真が出てくる。「このお店は皮が薄くて…とか、こっちは餡がパンパンに詰まっていて…」と話をしてくれる。それにしても、よく覚えていると感心してしまう。

つぶ餡とこし餡、どっち派ですかと聞いてみた。

「つぶ餡とかこし餡とかは関係ないですっていうくらいどっちも好き。そういうの聞かないでください」と笑った。

これが、ほんとに好きな人の応えなのかもしれない。

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