富士山と甲府盆地を望むワイナリー「98WINEs」
平山繁之さんが「場所文化」を重んじながらつくりあげたこのワイナリーでは、日本固有のローカル品種である「甲州」と「マスカト・ベーリーA」を栽培中。40年以上にわたってワイン醸造に携わり、「おいしいを科学する」ことにこだわり続けてきた平山さんが手掛けるワイン。市場ではナチュールワインと呼ばれるものの平山さんは「身体が求めるものがナチュールなんだと思う」と話す。
多彩な人たちとともに進化を遂げ続けているのも98WINEsの魅力のひとつだ。「たくさんの人との“+α”により98が100にも200にもなる」という思いが込められたこのワイナリーには、平山さんの魅力も相まって、さまざまな人たちが集う。今では「98BEERs」というブルワリーとそれに併設する形で「STAY366」というブティックホテルまである。
その背景には平山さんのおもてなしの心がある。
ブティックホテルの宿泊客をかならず最寄りの駅まで迎えに行き、ワインを傾けながら、じっくりとワインや食について語り合う――。その人の顔を見て会話をしたいと話す。日々、そんな時間を大切にしているのだ。
平山さん、そして98WINEsの「場所文化」に根差したスタイルは国内外で評価され、2023年にはワイン観光に取り組む世界最高のワイナリーを選ぶ「ワールズ・ベスト・ヴィンヤードTOP100」にも選出された。
まさに日本が誇る唯一無二のワイナリーである。